台風ですね。

謝るべき人を数え始めたら 長い一日はとてもやっていけそうにない。
事後報告ですが、シンセサイザーを買いました。一ヶ月ほど前に。
シンセサイザーはキーボードです。ピコピコした音をいじくれて、楽しいです。
僕が持っているのはローランドのJUNOステージとSH201です。部屋にはシンセとパソコンと布団くらいしかありません。
外を見ると、うわ、台風ですね。風の音が凄まじいです。女の人が泣いているみたいに聞こえます。何が悲しいのでしょう。
実家から電話がありました。台風に気をつけろ、と。近畿地方は直撃らしいですね、台風。
「直撃」って言葉、なんかいいですね。やられた!って感じが出ていてたまりません。
ぜんぜん関係ないのですが、僕はオーストラリアにいたとき「サイクロン」って呼ばれていました、ナイトクラブで。
気違いのごとく踊り狂っていたのです。確実に危ない人でした。

オクナ、ブリスベン直撃です。

「自慢するな」ですか?ごめんなさい。二度と言いません。

でも、まあ、台風ですね。台風はなんだか悲しくなります。悲しんでもいい気がします。
リア王」みたいに外に出て悲嘆に暮れてもいいのですが、死にたくないのでしません。ビビリです。風の音が悲しすぎて、なんだか恐ろしいです。

だから、部屋でシンセを弾くくらいしか、やることがないのですが、練習をしていると、たとえば曲なんか弾いていると、昔のことを思い出して胸が重たくなります。
僕はまだ簡単な曲しか弾けないのですが、それでもメロディがすごく綺麗だなぁって感じる瞬間がときどきあって、それで弾いていると、ピュアな気持ちとかそういうものがやって来て、ああいいなあ、と思えます。
けどそれと同時に、昔、自分が他人に迷惑を掛けたことや、誰かを傷つけた思い出や、他人の不幸を嗤った浅ましい自分なんかがモワモワと思い出されて来て、「それだけの罪を犯してきたお前が、今さら何だ?」って声が頭の中に浮かんできて、胸がずーん、と沈みます。

心の中に巣食った汚い感情が、なかなか縁を切ってくれない・・・でも、そいつと僕は、けっこう仲良しです。まぶだちです。
人が、冷たい嫌な奴になっていくのは、この感情を素直に受け入れて、認めて、それでも生きていきたいからなんじゃないのかなと、最近思います。それは本人にとっても辛いことだけど、きちんと自分で始末を付けるってことは、すごく偉いことです。

だから、僕もこの「やりきれない」って感情を、放し飼いにして済ませておくわけにはいかない、なんて思ってます。否定するなり、肯定するなりしないと、何も変わりません。「鬱だー」とか言って、にやにや笑ってる場合じゃありません。マジで。

綺麗な気持ちって、何なんでしょうね。普段はずっと自分をほったらかしにしているくせに、不意にやって来ては許されない自分を責め立てます。これは敵なのでしょうか味方なのでしょうか?・・・「敵か味方かカウボーイ」です。たぶんその両方なのかな。

でもまあそんな風にウジウジしながらも、練習は続けています。汚い自分や、それを悔いている自分を言い訳にして何もかもサボることは、あまり宜しくないことに、最近になってようやく気づいたからです。

いつか僕が迷惑を掛けた人たちに、ちゃんと向かい合えるように、自分を曝せるように、なりたいです。・・・いや、なります。「なりたい」って言い続けるのは、楽だし、言い訳になってしまうし。

はやく上手になりたいな。

うわ、今、風でマンションが揺れた!
本気で怖いです。死にたくないです。

僕は、外でタバコを吸うので、いつも空き缶をベランダに出しているのですが、台風なんで、部屋の中に入れておきました。風に飛ばされて道行く人に当たって、誰かが死んでしまわないようにするためです。

命は大事です。死にたくないです。怖いです、台風。